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こどもと家族へのメンタライジング・アプローチ

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 先日、宇都宮市で開催された「栃木県こどものここと研究会」に出席してきました。前回のブログで、研究会についてご報告すると書きましたが、今回はSNS等で公開してはいけないようなので、残念ですが別な話に・・・

 その研究会で、国府台病院の時に一緒だった渡部京太先生に久しぶりにお会いしました。実際に、何年だろう?15年ぶりくらいでしょうか・・・渡部先生は私に全然気づいてくれませんでした。年もとりましたし仕方がないですかね。でも、その会場には、自治医科大学の柳橋先生もいらっしゃったので、3人で久しぶりにお話しできてとても楽しかったです。国府台時代、懐かしいなぁ。。。

 渡部先生は、講演にもありましたが、メンタライジング・アプローチについて関心をもたれて実践されています。メンタライジングとは、「自己・他者の行動の背景にある心理(考え・感情・欲求・願望・信念)を理解しようとすること」で、そのメンタライジングを育てる治療・教育・支援の働きかけをメンタライジング・アプローチと呼びます(日本メンタライゼーション研究会ホームページより)。渡部先生のご講義を聞いていると、家族支援にも応用できそうです。実際に、児童精神科病棟の看護師も、多職種と連携をしながら、患児や家族の言動の背景あるものを常にアセスメントしながら支援をしています。そこに、メンタライジング・アプローチという視点で支援ができれば、さらに根拠をもった支援になるかと思います。これから、学会でもよく目にする、耳にするアプローチ方法になると思いますが、講演や研修などの機会があれば是非学んでいきたいと思います。

 早速、渡部先生も訳された本を購入しました。メンタライジング・アプローチにご興味をお持ちの方は、是非、お手にとってはいかがでしょうか。

Nick Midgley&aona Vrouva著(西村 馨・渡部京太翻訳)「子どものメンタライジング臨床入門:個人、家族、グループ、地域へのアプローチ」誠信書房,2022.

Nick Midgley、他.(上地雄一郎・西村馨監訳,渡部京太,他訳)「メンタライジングによる子どもと親への支援: 時間制限式MBT-Cのガイド」北大路書房,2021.

その他、渡部先生が運営委員にもなっている「日本メンタライゼーション研究会」を紹介し、終わりたいと思います。

 

2024年09月29日

【9/17開催】栃木県こどものこころ研究会のご紹介

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 みんさん、こんにちは。まだまだ暑い日が続きていますが、いかがお過ごしでしょうか。


 さて、今回は、栃木県内で開催される研究会をご紹介します。自治医の子どもの心の診療科の柳橋先生が司会をされる研究会です。


 ご講演の一つには、国福の関連施設であるなす療育園の山岸先生が「ビバンセ」の効果についてご講演される予定です。一番新しいADHD薬のビバンセの臨床効果は、とても興味がある内容です。


 また、もう一つの講演は、渡部京太先生の「メンタライジング・アプローチ」について、ご講演される予定です。最近、「メンタライジング・アプローチ」という言葉はよく耳にするのですが、私自身、恥ずかしながら、全く知識がないので、非常に楽しみな内容です。渡部先生とは、以前一緒に受持ち患児をもった仲ですが、10年以上お会いしていないので、お会いできることも楽しみです。


 この研究会は、柳橋先生よりお声をかけてもらったこともありますし、栃木県内のこどものメンタルヘルスに貢献するものですので、私も参加する予定です。当日、翌日は、病院での臨地実習指導ですが、実習が終わったら宇都宮に駆け付けたいと思います。気合をいれて宿泊予定笑。内容については、後日、こちらでご報告できれば思っています。

2024年09月01日

臨床の魂をいれた科研申請!

 研究者にとって、このお盆の時期は、科研申請の準備に追われます。現在、所属している大学は、今月の19日が学内締め切りなので、今、まさにラストスパートです。


 私は、昨年度の途中で研究中止を余儀なくされたため、その時いただいた科研費を無駄にしないためにも、その研究の続きを実施したいと思っています。


 今回の申請書では、前回採択された研究課題にプラスアルファした内容のもので、申請する予定です。この内容は、臨床の皆さんからの思いが込められているものになっています。前回のブログにも書きましたが、病院訪問等でお聞きした臨床ニーズに沿った研究を実施し、臨床現場に還元しなければならないと常々思っています。これが研究者の役割だと思っています。


 臨床の皆さんの思いが、審査員の先生方に届くように、申請書を書きたいと思います。皆さんの魂を入れた申請書を書くぞ!!

2024年08月14日

ある児童精神科病棟の見学で・・・

先日、ある病院の児童精神科病棟に見学をさせていただき、その際、児童精神科医、看護師、精神保健福祉士さんにお話を伺うことができました。

私自身、10以上の病棟を見学し、スタッフの方とお話しさせていただいていますが、病院・病棟によっていろんな悩みがあるなぁと感じます。

ただ、家族支援、多職種連携、看護師教育については共通しており、多くの病棟で悩んでいます。実際に、先日の訪問した病棟でも同じような悩みはありました。より一層、家族支援や多職種連携についての研究を続けていかなければならないと感じ、臨床現場に還元するには、どのようにすればよいか考えさせられました。

看護師さんとお話した中で、嬉しいこともありました。私たちが制作した「家族支援ガイドライン」をご存じで、病棟で使っていただいているとのことでした。実際に、使用いただいていると聞くと嬉しいものですね。がんばるパワーをいただきました!!

臨床現場の見学や現場の方からの声を聴くことで、毎回パワーをもらっています。研究室にいるときと違って、ワクワクして身体がうずきます。どんどん現場に伺い、スタッフの方とお話していきたいです。見学してもよいという病棟さんがありましたら、是非、ご連絡ください。

2024年08月10日

『第4回児童思春期メンタルヘルスセミナーin岡山』のご案内

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岡山県こどものこころ診療ネットワーク主催のセミナーをご紹介します。

★★★第4回児童思春期メンタルヘルスセミナーin岡山

日時:2024年8月23日(金)~24日(土)

場所:岡山県精神科医療センター(オンライン開催あり)

内容:詳細は、ホームページをご参照ください  

対象:医療、福祉、教育、行政等の専門職、専攻する学生

参加料:無料(ただし、要申込) ※ お申込みは、こちらから


 このセミナーは、いつもお世話になっている岡山県精神科医療センターの医療部長の大重先生とカリフォルニア州立大学サンプランシスコ校の准教授の廣田先生らが実行委員をされています。毎年、興味深いテーマなのですが、今年は、ジェンダーの内容から臨床や教育機関などのテーマまで幅広く、かなり期待できる内容になっています。

 オンライン開催もありますので、遠方の方でもご興味がある方は、是非、ご参加ください。比較的に気軽に参加できるセミナーだと思います。

2024年07月01日
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